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2012年1月28日 (土)

素敵な正しい贅沢的生活

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僕たちの心理には「贅沢は敵」的な意識がある。人様と違うことに対してそこから金銭的要素以外の要素をごそっと抜いた状態にし、物事を判断してしまうのがクセになると、それのみの判断基準を目が持ってしまう。

だから労力がかかっていると「そんなにこだわらなくてもいい」といい、快適だと「そうじゃなくても住める」という。たしかに手間をかければいいというものでもないし、真冬に初夏の暖かさはいらない。

例えば住まいの壁を塗り壁にする。ビニールクロスの何倍ものコストがかかるので「贅沢」ということになるが、手触りや吸湿性、ライフサイクルなどを総合的に判断すれば決してビニールクロスより「贅沢」ではないことがわかる。
ストーブも、暖炉は高くてしかも手間がかかると思われているが、火を見ることの安らぎは長い時間かけて楽しめる。そもそも今の時代に石油や電気を使うのと薪を使うのではどちらが「贅沢」なんだろう。

世の中がどんどん金銭的価値に重点を置く合理主義に傾いていく中、「正しい贅沢的」なるものが堂々と主張できなくなることは、金銭的価値に重きを置く社会構造の悪いところ。

これは僕たちの仕事、一般に「贅沢」と思われてしまう設計のオーダーについてもいえる。
設計を専門家に頼むことは「贅沢」と思われている。
しかし、その「贅沢=お金がかかる」はこれから長い時間共にする仲間を選ぶと置き換えてみれば、決して悪い選択ではない。

ある試算では建物が償却されるまでのライフコストの建てた時の占める割合は全体の3割弱であるという。
だとしたら、建てる時に将来を見据えて計画を立てていくことがとても大切であり、その部分抜きに計画を進めて「格好よさだけの選択視」で作られた「家」の、こののち襲いかかるであろう「流行遅れにならない努力の対価として支払う金額」のなんともったいないこと!

写真は、最近事務所に設置したパーソナル暖房機。
高齢のご夫婦が住む住宅のトイレに置くことを念頭に所員ハブにデスク下で試しに使ってもらっている。
彼女曰く「すこぶる快適で、冷えから来る毎年の体調不良も、今年はなし」とのこと。
電気代は5円/時間のカタログ値で、一日24時間使って120円程度(8時間で40円)。丸丸一日使って、冬の3ヶ月間の使用で1万円の電気代は、例えばトイレを数十万円かけて改装して快適性をすぐに得られない家庭では重宝するはず。
しかも体調が良い状態が保てることは、健康の面から見ても「金銭的贅沢」では測れない「贅沢」さを享受できるのである。

加藤

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