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2011年3月27日 (日)

非電化のすすめ

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国のエネルギー政策を根本から見直さなければならない事態が起こって2週間が過ぎた。右往左往どたばたを続ける政府にやきもきし、一向に治まらない恐怖を感じながら、僕自身、気がつけば電気に頼り湯水のように使っていた生活を反省し始めてもいる。

昨日は、思い出して『建築ジャーナル』を引っ張り出して読み返す。『建築ジャーナル』は、一般の建築雑誌のように流行のスタイルを紹介することもなく地味なんだけど、なかなか硬派な建築雑誌で、特に以前から電磁波や電化についてかなり(すこし大げさすぎない?と思うほど)否定的な立場を表明している稀有な存在だ。                                       2006年8月号は「非電化住宅のすすめ」。いまから5年ほど前の特集であるが、表紙の”非電化冷蔵庫”とそこに一緒に映る”おじさん(というか初老の男性”)のインパクトだけでも印象に残る一冊。

この表紙を飾る”おじさん”こそ、非電化工房主宰にして発明家の藤村靖之さんで、否電化ではなく、非電化生活の方法をいろいろと実践していて、HPを見ると、楽しさすら伝わってくる。

そんな藤村さんの非電化(小電化でもある)の知恵をみると、自然界に逆らわない暮らしがいかに豊かで、僕たちがとんだ思い違いをしながら生活家電を使っていたかがよくわかる。

たとえば電気掃除機は、60年代アメリカでカーペット敷きの床を掃除するために誕生した器具で、日本では70年代にカーペットを敷くスタイルが流行し、それに伴って便利掃除器具として掃除機を導入した経緯がある。高温多湿な日本ではダニなどの問題からカーペットを敷くスタイルは徐々に消えたが、スイッチを押せば掃除してくれるロボットはとても重宝されて、生きながらえた。藤村さんによれば、吸うことでごみを取る掃除機はとても効率の悪い電気製品であるという。確かに、たとえばテーブルの上に紙クズがあったとして、それを動かすのには吸いこむよりも吐き出したほうが労力が少ない。                          それに対し、近年廃れてしまった箒(ほうき)は、何人かの被験者に実際に比べてもらった結果、被験者が驚くほど箒のほうが優秀でしかも掃除が楽しかったという。                  一例として掃除機を挙げたけど、他にも冷蔵庫なども非電化や小電化の方法や考え方にとても共感した。

藤村さんの態度は、力技で自然をねじ伏せながら快適生活を実現しようとする電化生活とはまるっきり逆だが、電化すべてをNOと言っているわけではない。僕が思うに、欺瞞に満ちた現代の生活に警鐘を鳴らす意味があって、それはつきつめれば地球のことさえも憂いているんじゃないだろうか。僕も、僕たちも、社会も政治も襟を正して直していくことは、多い。

写真は、藤村さんが表紙の『建築ジャーナル』と手回しラジオ。                                       非電化工房のHP、面白いです、是非。

加藤誠洋

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