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2010年8月20日 (金)

悉皆という調査

「悉皆調査」という方法があります。

悉皆=すべて、全部という意味で、町並み調査ではその名のとおり、エリア内の対象物をすべて見ることをします。

建築史を学んできて、町並み調査を行う僕は、この「悉皆的調査」をよくします。

簡単に言いましたが、実は体力的にかなりキツイ調査で、先日の佐野調査では早朝7時半から午後四時近くまで真夏のうだるような暑さのなか、ゼンリンの住宅地図を見ながら建物一つ一つ見逃さないように歩き続けたのでした。

おそらく傍目からは「ゼンリンの調査員」と映ったことでしょう。

何のために汗が乾いて塩が浮き出るくらい調査をしているのか。

一言で言うと、「経験することに勝るものなし」と考えているからです。

大変な労力をかけながら見る。「リアルに感じることこそ大事なんだ」。調査を続けながら設計事務所を開き、建物をつくっているとその重要性がわかってきます。

事務所のハブも調査に参加します。

彼女も文句ひとつ言わずそんな調査を淡々とこなします。(結果、「おなかがすいた」とのたまいますが・・・)

結果的に、やがてその作業が、いろいろな場面(建物を計画するときに敷地を読むこと、まちなかで見ず知らずの地域の方と話をすること、おいしい匂いを逃さないこと、なによりその場の現象を自然体で捉えることなど)で役立ってきます。

最近やっと、それがうちの事務所の唯一無二の強さだなと思うのです。

「まちのみかた 水戸市」。

いろいろと考えています。詳細はもうしばらくお待ちください。

写真は、先日の佐野天明宿「悉皆調査野帳」コピー

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一見単純で簡単なように見えるかも知れませんが、真夏の一日でこれだけのことを、しかもたった2人で出来る能力の高さは同業者が見たら鳥肌が立つことでしょう。いや、立ててもらいましょう。

僕たちを動かしているのは、いままで誰も知らなかったことを暴き出すこと。そして、誰もわからないことに気づくことです。もちろん内緒!

加藤誠洋

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