« 本が届く | トップページ | 走る 浸かる 飲む »

2010年2月16日 (火)

「まちのみかた 栃木市」レポート 前半

おかげさまで大盛況のうち終了した「まちのみかた 栃木市」のレポートを前・後半に分けて紹介します。

まずは、2月7日(日曜日)に行なった前半。

その前に、「まちのみかた」について、その意義と今後の展開をすこしまとめてみました。僕がこのイベントを通して考えていたのはこんなことです。

1.「設計事務所のおこなうまちづくり」

地域の建物や町並みを尊重して仕事に携わること

2.「まち再発見のヒント」

参加者の多様な話から「自分のみかた」を探る

3.「新たなまちの資産つくり手法」

トークショーとまちあるき

4.「話し手の発見」

個人的な「まちのみかた」。無意識の顕在化

5.「開催までに構築される関係性」

その地だからこその会場と開催までの手続き

6.「地域交流」

懇親会で参加者同士が知り合い、仲間が増える。交流の場。

7.「まちの小さな文化財の発見と評価」

地域の歴史を学び、地域の文化財を知る。調べる

8.「実施地域と計画」

北関東及びその周辺。番外あり

9.「記録」

活動を記録。「まちのみかた100」

10.「常に新鮮なみかたで」

まちを見る

そのほかにも「まちの魅力を伝えるスピーカーを育てる」ことや「賑わいをつくる」ことなど、今後10年続けるための”強さ”を持ちえるために用意した意義は僕自身のこれまでの考えを文字化し顕在化させることでもあります。

さてさて記念すべき第一回目に訪れたのは「栃木市」。四半世紀前、僕が実測調査で訪れてから、関っている場所での開催を決めたのは、義理人情よりも「何とかしたい」とがんばっているのを間近で見て、力になりたいと思ったからです。

今後も「まちのみかた」は少しでもお役に、力になれればといった視点で開催場所を決めていきます。

当日は晴天。                                              会場の中田家見世蔵には受付開始の2時半前から参加者がちらほら現れ活況を呈していまして、開始時には定員をはるかに上回る大勢の皆さん(定員30に対し、47名の参加)で、用意した席が足らず、協賛いただいた「油伝味噌」の小池さんにお店から10脚ほど椅子のご提供をいただいたものの、まだ数名の方が立ち見となってしまうというありがといような、もうしわけないような状況。

Dscn3581_2

Dscn3584

Dscn3587_2 

そんな熱気に包まれている会場では、自身の「まちのみかた」を披露する4人のみかた案内人それぞれの「まちのみかた」の発表が行なわれました。  「まちのみかた」を決定付けるみかた案内人。今回は、建築の歴史を学んだ4人の案内人がそれぞれ「なにに興味を持ってまちをみるか」をテーマに会場に集まった参加者に「それぞれのみかたを顕在化する」ことの面白さや発見を促します。

まずトップバッターは、現在イギリスはロンドン在住の安沢千里さん。            彼女が普段行なっているインスタレーションをもとに、自分だけの風景を切り取ることで風景を身体化するような試み、そしてそのみかたを紹介しました。何気なく通り過ぎるまちなかのショーウィンドウに映る景色に記録を見出すことで発見する自分なりのまち。限られた空間だからこそ広がりが生まれるようなプレゼンテーションでした。

Dscn3589

Dscn3591_3   

次は現在栃木県宇都宮市で設計事務所に勤務する傍ら、休日に鹿沼市で町並み案内など積極的に活動している渡邉貴明さん。                     彼は、道や、その道が風景に対してどのような効果があるのかに注目してまちを見ると言います。十字路やかねの手、行き止まりなどの道の形状を擬音によるわかりやすい表現で、見せてくれました。

Dscn3592

当事務所のハブは近代から現代の女流文学者の随筆を参考にまちあるきを楽しむ方法を紹介。文学の語彙の豊かさを参考にまちを見ることの面白さが伝わります。

Dscn3596

最後に登場のオーナミ君は町の履歴を現代に蘇らせる方法を用いてまちを楽しみます。まさにゲニウスロキを確かめるもののみかたは、歴史の王道と言ったところ。

Dscn3602

そんなこんなでその後の懇親会も発表に触発されたかのように参加者のスピーチが続きました。

Dscn3605

今回のテーマは、みかたを共有しながら自分の見方を顕在化させ、次回のまち歩きで「自分のみかた」を楽しむことにありました。

誤解を恐れずに言えば、僕は、ガイドブックを用いて、なぞるだけの「まちのみかた」ではない「自分で発見するまちのみかた」だけがまちを何とかできると考えていて、その実践としてのイベント。参加者の皆さんからは、不備も多いけどとご指摘をいただきながらも、楽しめたと評価をいただけたことは、潜在的に「僕のやろうとしていることをわかってくださる方がいる」という自信にも繋がりました。

そしてそして後半の”雪中”まちあるきレポートへと続きます。

*なお、残念ながらお越しいただけなかった方のために、当日使用した資料を差し上げます。欲しい方はメールでお申し込みください。

加藤誠洋

|

« 本が届く | トップページ | 走る 浸かる 飲む »