« patchy | トップページ | 光線 »

2008年6月11日 (水)

ゲーム性。泥臭さ。

今週の日曜日。構造家 佐藤淳さんと建築家 乾久美子さんのお話がつくばで聞けるというので行ってきました。

Kouen

佐藤さんは山本理顕・石上純也・藤本壮介などの構造を手がけ、若手建築家からのオファーが後を絶たない30代の売れっ子構造家で乾さんはディオールやヴィトンのファサードや最近では集合住宅などを手がけるこれまた若手建築家です。

講演は乾・佐藤両氏がそれぞれに携わった仕事を中心にお話されました。               残念なのは2人の対談がないことと質問コーナーが設けられていなかったこと。(質問はその後の懇親会でしてくださいとの主催者の説明でした。おそらく質問したかった学生さんたちはそのために懇親会費大枚3000円を払ってまでは億劫だし、どんな理由があれ講演会って質疑応答の面白さもあることだしね)。                                                        個人的にはその後の懇親会でお二人に質問することができたし乾さんに佐藤さんのこと、佐藤さんに乾さんについても聞いてみたりしました。以下、講演会を聞いての感想です。

佐藤さんは「構造は自由を失わない」と題しておよそ1時間半のお話。                     建築家と協働したこれまでのプロジェクトを吸収エネルギーというものの見方で”計算と実験と経験”というキーワードを用いてわかりやすく解説されていました。特に形の自由さを求めるために自ら作った構造解析プログラムの話などは構造体が「これで持つか」よりも「これ以上やると崩壊する」という視点で考えていると強調していて、なるほどその方が極限的などと思って膝を打ったりしました。ただし、話のなかで接着剤に頼るディテールがかい間見えたので、その後お話を伺ったときに建物の寿命について聞いてみたらやはり確信犯的にかなり割り切った考え方をされていて、それは僕の建築の寿命に対する考えとはまったく違うのだけれど、構造家として自信を持って世に出す以上社会に対しての責任を負うだけの覚悟ができているのでしょう。佐藤さんの話は何かゲームのルールを聞かせてもらっているようなそんな感覚でもありました。

一方の乾さんは「近作について」と題してこれも1時間半ほどのお話。                     今回初めて乾さんを間近で拝見し、雑誌に映る華麗な印象とは随分と違い骨太な感じを受けました。もちろんいい意味で。                                           出来上がった建物もエレガントなので見失いがちなのですが、答えを(形を)探るために半端ないスタディをしたり現地に何度も足を運んではそこで受ける印象を大事にしていたりするそうで、泥臭く建築を考えている様子(もちろんいい意味です)がさらに決して流暢でない話の端々からも感じ取れて共感しました。懇親会では乾さんの目の付け所など感じたことをお話させていただきました。(ついでにパッチーの話もしてしまいました。面白がって聞いてくれましたよ)

今回のお二人、無理やり共通点を探るならすべきことを達成するための割り切り方に潔さが見受けられるところでしょうか。特に乾さんの敷地に対する配置や形のあっさりした決め方とそれから内部を煮詰めていく多様さと執着心のギャップに驚いたりしました。(カトー)

                                                    

|

« patchy | トップページ | 光線 »